1ー⒈ 診断
眼瞼下垂診断の要は「視診」です
実際に診察では「視診」と「触診」があります。
よく「視診はわかりますが、内科ではないので「触診」も必要ですか」と言われることもあります。眼瞼下垂症の診察では触診も重要です。
まずは「視診」の重要性をお話しします。
視診で重要なことは次の項目です。
正面から見て
1)頭の位置(傾き)
眼瞼下垂の程度がひどくなると、下顎を上げて物を見るようになり、それに合わせて頭を後ろに倒すようになります。これが肩こりの原因にもなります。
2)額のシワの状態
視野が狭くなるために、その代償として額の筋肉を緊張させ、眉毛を上げるようになります。そのために額にシワが多くなります。
若い人で、おでこにシワが多い人は眼瞼下垂の可能性があります。
注)おでこのシワが多くなり、その治療のために美容外科で「ボトックス注射」を受けられ、「瞼が下がって物が見えにくくなった」と受診される患者さんがおられます。これはボトックス注射でおでこの筋肉の動きが抑えられ、まぶたが挙がらなくなるためです。おでこにシワが有るからといってすぐにボトックス注射を受けるのは控えてください。
3)眉毛と瞼の縁までの距離
おでこの筋肉を緊張させることで、まぶたが強制的に開くようになりますが、それに伴って「眉毛とまぶたの縁の距離」が長くなります。
手術後は眉毛が下がってこの距離は短くなります。
5)二重の有無と二重の幅
以前は一重であったが、眼瞼下垂により二重瞼や三重瞼になることがあります。また、眼瞼下垂により生じる二重線の深さは浅いこと多いです。
6)蒙古襞の状態
眼瞼下垂でまぶたを開ける時、内側に制限が生じたり、二重の線に乱れが見られることがあります。また、元々蒙古襞が多い患者さんの場合は、目と目の間が離れて見えるようになります。
7)瞳の上側がまぶたにどの程度まで覆われているか
眼瞼下垂でまぶたが下がってきて、瞳に被さってきます。
1)2mm以上覆われている場合
2)瞳を上側から中心までの距離を三等分して上より軽度・中等度・重症
と分類する。
などがあります。これは担当医に判断基準によりますが、実際は一つの判
断では決められず、総合的に判断しています。
(中程度以上が手術の適応となります)
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