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最近は、メールでの問い合わせが多くなってきています。
特に、多いのがお子供さんの傷あとに対する質問です。
私は形成外科医で顔を専門にしています。
そこで、代表的な質問とそれに対してお返事したものを書いてみます。
ご参考にしてください。
⒈患者様からの質問
はじめまして。
子供の顔の傷について教えてください。
現在3歳2ヶ月になります息子が、当時2歳3ヶ月の時に、転倒して 机の角で左瞼の
上を3cm程切ってしまいました。傷口がぱっかりと開いた状態でした。
休日だったため、救急病院を受診しました。治療は縫合せず、幅が1mm位の細くていテープで3箇所止めて終わりました。
3日後に再び診察に行ったのですが、その時に軟膏を塗られただけでした。
しかし、その夜にテープが剥がれて、傷口が塞がっていないことが心配になり、再び受診しました。
今回は、テープで塞がず、軟膏を塗っただけの処置でした。
そして、傷口はほとんど目立たなくなっていくので、来院の必要はないととも言われました。
ケガをしてから、1年以上経ちました今でも、幅2mm長さ2cm位の凹んだ傷になってしまっております。
遠めで見ましても分かりますので、目立たなくなったとは思えません。
自分の不注意で子供の顔にこのような傷を残してしまったこと、毎日悩んで、HP等で色々と検索しておりましたところ、貴医院のHPへ辿り着きました。
山本先生は顔の傷が専門でいらっしゃるようですが、3歳の子供でも顔の傷を治す治療は可能でしょうか。
どうかアドバイスをお願いいたします。
傷の場所や原因はそれぞれですが、親御さんの悩みは 同じです
⒉質問に対する返事
実際にお子さんを診察していませんので、正確なことはお答えできませんが、私のこれまでの経験を踏まえてお答えしました。
お問い合わせありがとうございます。
「傷口はほとんど目立たなくなっていくとのことでしたが、1年以上経ちました今でも、幅2mm長さ2cm位の凹んだ傷になってしまっております。」
傷跡は部位、原因、深さ、傷の方向、体質などにより異なります。そして、どのようは場合でも、傷あとが消えてしますことはありません。
この傷あとが「目立たなくなったか、ならないか」は、主観の問題が大きいと思います。
現在3歳の子供さんは傷あとのことは全く気にしていないと思います。
これは、傷あとという概念がないからです。
ところが大人は傷あとの概念があるために、それが気になるなと考えた場合、そこ性格的なものが加わり、悩んだりします。
特に親御さんならなおさらです。
この傷あとに対する治療ですが、「3歳の子供でも顔の傷を治す治療は可能でしょうか。」とのことですが、
「治す」とは消してしまうという意味でしょうか。
残念ながら、どのような治療を行っても傷あとを消してしまう方法はありません。
形成外科では傷あとの治療を行っていますが、その適応は明らかに「汚なく、目立つ傷あと」に対して行うものであり、それほどでない傷あと(あくまでの治療をする立場で見た場合ですが)に対しては薦めてはいません。
これは、治療により改善の変化が小さい場合は、満足度が低いからです。
そこで具体的なお子さんの傷あと(実際に診察していませんのであくまでも推測です)の治療を行うとしたら、現在の傷あとを切り取り、改めて縫合し直す方法がとられます。
ここで問題となるのは、形成外科治療は、結果としてまた新しい傷あとを作り、その傷あとが手術前のものより目立ちにくくなるというだけです。
新しい傷あとが気になれば結局は同じことになります。
また、3歳ですので入院し全身麻酔が必要ですので、払う犠牲も大きくなります。
考えてみてください。そのようは危険を冒してまで治療を希望されるでしょうか。
⒊傷あとの対する考え方
親御さんのお気持ちは十分わかります。
ここで私が傷あとの治療を希望され来院される親御さんにお話していることを書いてみます。
1)子供さんは全く気にしていません。
あくまでも親御さんが気にされているだけです。
2) 気にしていない子供さんをいろいろな病院に連れまわすことが弊害となります。
本人はそれまで気にしていなっかた傷あとを、かえって気にし始めさせるきっかけを作ることになります。
3) 親御さんの心配が表情や態度に表れる
子供は親の心を感じとり、本人はそれまで気にしていなっかた傷あとを、気にしなければならないものとしてかえって気にし始める。
4) 2)3)の行為のために子供さんが気にしてしまったら
将来、親御さんと離れた生活を始められたときに、今度は自分で傷あとの治療のためにいろいろな病院を受診して回ことがあります。(子供の潜在意識の中に傷あと=気にしなければいけないものとインプットされる)
しかし、そのときは、親御さんは傷あとのことは忘れてしまっている場合があり、かえって罪つくりとなります。
5) 将来、子供さん本人が傷を気に(意識)し始めた時が治療のスタートです。
形成外科への受診を薦めてください
*子供さんからの、傷あとが気になっているという信号です。
6) それまでは、あえて傷あとのことは話題にしないでください
(お母様の心の中にしまっておく)
結論から言えば、本人が気にしなければそのままとし、気にしはじめたら、的確なアドバイスをすることで、傷あととの付き合い方を学んでいくことが重要です。
大人の方へ伝えたいこと
「悩まないように」とは言えませんが、少なくとも子供さんの前で悩まないで下さい。
子供は親の笑顔が一番うれしいのです。ケガをしたら適切な対応をし、傷あとに対しておおらかな気持ちで見守る
きっとお子さんは
「傷あとなんか気にしていないよ」と答えてくれると思います。
ご参考にしていただければ幸いです。
以上がお返事です。
すべてのケースに当てはまるわけではありません。
たとえ、3歳でも、子供が主役です。
お子様の将来を見据えた対応を行うことが大切です。
私は、常にこのように考えて治療、アドバイスしています。
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眼瞼下垂治療
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保険が適応できるものはできるだけ保険で治療を行います((形成外科・皮膚科)。
保険であっても、美容(見た目)を配慮した治療を行います。
形成外科医としてケガ、傷あと、まぶたのトラブル(眼瞼下垂・逆さまつ毛)、皮膚腫瘍の治療は専門的治療を行っています。
また、子供の外見的な形態異常、ケガ、傷あとの治療には特に力を入れています。
当院の診療には保険診療と自由診療がございます。美容治療はすべて自由診療となっております。
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