未成年の方の刺青治療について


最近、10代の方で刺青治療を希望される方が増えてきました。

 

10代  そうです。中学3年生から高校生です。

中には高校中退して働いている方もおられますが、現役の学生さんがほとんどす。

 

私のクリニックの診察には、ご両親と一緒に来られています。

 

未成年ですので治療する側もご両親とお会いしないと治療が出来ないのです

 

そして、治療を希望されているのは 患者さんよりご両親です。

 

当の本人は「別に取らなくても構わない」、「刺青は取りたくないが、親がやかましいから来た」と言われる方もおられます。

 

当然、意見は分かれているのが現実です。

さて、この年代の方の刺青の特徴としては

1)墨汁を使った自分で入れていた場合

 

2)友達に薦められて友達が墨汁で入れた場合

 

3)彫師を希望する方の練習のため

 

などが多く、プロの彫師が入れた正式な刺青は多くありません。

 

 

墨汁で入れた刺青は、色にむらがあり、時間とともにその輪郭がぼけているのが特徴です。

 

また、自分や友人が入れているために、その墨汁が入っている皮膚の層が一定ではなく、浅い層や深い層といろいろな層に入っています。

 

これは針を刺す痛みのためで、痛いと浅く入れる傾向があります。

因みに、プロはほぼ一定の深さに入っています。

 

 

通常、墨汁での刺青治療にはQスイッチレーザーが一番効果的ですが、実際に照射してみると結果に「むら」がみられます。

すなわち 色が薄くなっているところもあれば、変化のないところもありまます。

 

これは、レーザーは一定の深さまで光が届きますが、それより深くなると光が届かなくなるからです。

 

また、中には背中一面にプロ彫り師による線彫りの刺青を入れている方もおられます。

 

この場合はQスイッチレーザーではあまり効果が見られませんので、炭酸ガスレーザーによる削皮術も考えなければなります。

 

治療費は高額となります。

 

 

未成年の刺青を治療して感じた事は、

 

1)患者は積極的に治療を希望していないので、治療が中断しやすい。

 

2)墨汁による刺青の中には、Qスイッチ付きレーザーで完全に消えないことがある。

 

3)切除術や炭酸ガスレーザーによる削皮術では瘢痕が生じる。

 

4)自費診療であるため、保護者に負担がかかる

ことなどでした。

 

特に、患者自身が積極的に治療を希望しない場合は、充分な結果が得られないのが残念です。

 

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