知ってください刺青治療のこと 


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軽い気持ちで入れた刺青
しかし、 就職・転職・結婚 など急いで消さなければならない事もあります。
インターネットで検索してみると
「レーザー治療なら刺青は簡単に消せる」
「レーザーなら傷跡を残さずに刺青が消える」
などレーザー治療が進められていますが、しかし実際は、なかなか刺青が消えないとトラブルが多いと言われています。
患者さんは、本当はどうなのか不安でいっぱいだと思います。

長年、刺青治療を行っている私がこれまで行ってきた経験をもとに 患者さんに合った治療をお教えします。

I)刺青治療を受けられる前に考えていただきたいこと

II)メールでのお問い合わせされる時の教えていただきたい情報
III)治療方法
 1)レーザー治療
 2)外科的治療
   a)切除術
   b)皮膚削皮術(炭酸ガスレーザーによる)
   c)皮膚移植術
Ⅳ)刺青治療のクリニックの選び方
)治療費

I)刺青治療を受けられる前に考えていただきいこと
インターネットのホームページでも具体的な治療法を、写真を示して説明されています。ホームページによっては魔法のような結果になっている写真も掲載されていて場合もあります。
そして、そのようなクリニックには多くの患者さんが受診されているとのことです。
しかし、すべての刺青が完全に消えてしまうわけではありません。
そこで、治療を受けるにあたり下記の点について予め考えられてから、受診されることをお薦めします。
1)なぜ、刺青治療を希望されるのですか?
刺青を入れたときは、当然消すことなど考えておられません。
しかし、就職・転職・結婚などでどうしても消さなければならなくなります。
レーザー治療で綺麗に消えてしまえば問題はありませんが、傷跡が残ってしまうこともたくさんあります。刺青治療の目的がはっきりしているかが重要です。
2)希望する治療結果(傷跡など)はどのような状態ですか?
a)傷跡を残したくない(完全に消したい)
(治療を希望される方は皆さん同じ希望ですが、実際は難しい場合が ほとんどです)
b)多少残っても構わない
c)刺青と分からなければ傷跡は気にならない
きれいに消える→少しの傷跡なら問題ない→刺青と分からなければ傷跡はすべて受け入れる と順に考えてください。

3)治療期間は十分にありますか?
a)できるだけ早く無くしたい
b)特に治療期間は決まっていない
実際は短期間の治療を希望されている方がほとんどです。
例:以前、明後日の身体検査のためにすぐに治療を希望された方もおられました。幸い、小さい刺青でしたので炭酸ガスレーザーで取り除き、無事検査に合格されました。

4)治療費は総額どれぐらいを考えておられますか?
入っている刺青により治療費は大きく異なりますので、おおよその総額を考えておかれたら良いかと思います。
特にQスイッチレーザーでは、何回の照射で希望する結果が得られるかは、実際に照射して見なければわからないことが多いです。

II)メールでのお問い合わせされる時の教えていただきたい情報
多くの方から刺青治療についてのメールでのご相談をいただいています。
お問い合わせで一番多いのが治療費についてです。
実際に診察してからでしたら、詳細にお答えできるのですが、メールだけで「刺青があります。治療はいくらぐらいですか?大まかで構いませんが?」などのお問い合わせもあります。

刺青の治療は、その刺青の特徴や患者さんの希望により大きく変わり、それにより治療費も異なります。
また、患者さんが言われる大きさは、実際より小さい場合が多いです。
従って、あいまいな金額をお知らせすると「聞いていた金額と違う。治療が受けられない」などが起こることがあります。
そこで、下記の項目をお知らせいただければ、少し詳しくお答えできるかと思います。
1)性別
2)刺青の部位
3)大きさ・色
4)刺青を入れた時期
5)傷跡の有無
傷跡を残したくない
多少残っても構わない
刺青と分からなければ傷跡は気にならない

6)治療期間
早く(例えば 結婚前。就職前など)
7)写真(可能なら)
などです。

お問い合わせは以下のフォームをご利用ください。
「インターネットによるお問い合わせフォーム」

III)治療方法
1)レーザー治療
レーザーにはいろいろな機器がありますが、刺青にはQスイッチレーザーが使われています。
このレーザーは正常な皮膚にはダメージを与えることなく、特定の色素をだけをスポット的に破壊することができるレーザーのことです。
レーザーによっては表面に皮膚を破壊しながら色素を取り除くレーザー(炭酸ガスレーザー)もありますが、Qスイッチレーザーは表面の皮膚にはダメージを与えないのが特徴です。
しかし、すべての色素が対象となるわけではありません。
適応となる色は 黒色 青色 茶色
で、特に黒色は1回の照射でかなり薄くなることがあります。
また、黒色でも金属を混ぜているものは消えにくく、数回の照射でもあまり薄くならない場合もみられます。金属を混ぜてある理由は、刺青が消えにくく、いつまでもキレイでいて欲しいと願う彫師の考えから来たものです。

 2)外科的治療の適応
a)レーザー治療の適応外の刺青(深くて装飾性の強いもの)の場合
b)比較的小範囲の刺青の場合
c)傷は目立っても早急に刺青である事が分からなくして欲しい場合
d)総額の治療費を安くしたい場合
などです。
特に多いのが、結婚や就職前に早急に刺青である事をわからなくしたい場合です。
これには、実際に刺青を無くすことに加えて、心の刺青も消したいという思いもみられます。新しい出発には刺青は肉体的にも精神的にも大きな障害となります。

a-1)単純切除縫縮術
1回で切除して縫縮する方法です。切除できる範囲は刺青の大きさと部位で決まりますが、皮膚に伸びのある部位ではかなり大きい刺青まで1回で取り除きます。しかし、皮膚に伸びが少ない部位では次の分割切除縫縮術をおこないます。
a-2)分割切除縫縮術
広範囲で皮膚に伸びが少なく1回では取り除くことはできない場合に、切除縫縮術を2~3回に分けて行います。
手術の間隔は、手術により無くなった皮膚の弾力が回復する約6か月間とていますが、部位によっては1年が必要な場合もあります。
また、1回で可能ででも、それに伴い機能障害(腕や肩が挙げにくいなど)が生じる場合は、分割切除縫縮術を行うこともあります。ただ、患者さんは1回を希望されます。

b)炭酸ガスレーザーを用いた削皮術
炭酸ガスレーザーとは、刺青レーザーとは異なり色素だけを消し去るのではなく、レーザーの光で刺青を破壊(蒸散)して、取り除く方法です。
皮膚組織の大部分は水分でできています。炭酸ガスレーザーはこの水分に吸収される事で強力な熱効果を表し、刺青の組織を極めて限局的に破壊(蒸散)してしまいます。出血がほとんどなく、最小限のダメージで刺青を除去します。
比較的浅い刺青は一度で取る事ができますが、深いものは2~3回の治療が必要な時があります。
問題は傷が治るまでに1か月以上必要で、その間ご自分でガーゼ交換をしていただく必要があることです。
また、レーザーといっても消してしまうレーザーではなく削るため、当然傷あとは残ります。

c)皮膚移植術
広範囲で分割切除縫縮術を受ける時間的余裕がない場合に行います。刺青のある皮膚を専用メスで取り除き、そこに太ももやお尻の皮膚を採ってきて移植する方法で、かなり広い範囲でも可能です。しかし、皮膚移植は最後の手段だと思ってください。
よく、皮膚移植をすると完全に分からなくなると考えられていますが、どんなにうまく移植できたとしても、本来違う場所から移植された皮膚が全く同じになる事はありません。
また、一般に刺青の場所は傷あとが醜くなる場所(腕、肩、胸など)ですので、移植した皮膚も醜い形として残ります。
さらに皮膚を採った場所(donorと言います)にも傷あとが残ります。結局、刺青を除去した場所と皮膚を採った場所の2箇所に傷あとが残る事になります。
皮膚移植の適応としては、中程度の範囲の刺青で炭酸ガスレーザーを用いた皮膚削皮術適応では傷の治りにかなり時間がかかり、仕事等に支障が生じる患者さんの場合は時に行うこともあります。

以上の方法がありますが、実際は、刺青の状態や患者さんの希望によりこれらの治療を組み合わせて行っています。

Ⅳ)刺青治療のクリニックの選び方
治療そのものは美容整形クリニックでも皮膚科や形成外科でも可能と思います。
ただし、以下の項目が満たさなければなりません。
1)自由診療を行っているか?
最近は公的病院でも自由診療を行うようになりましたが、それでも限られています。
2)実際に刺青の治療を行ったことがある皮膚科医であるか?
切除術や削皮術は経験が必要ですの 小さな刺青の場合は可能かと思いますが、広範囲なると無理かと思います。
3)刺青の治療を形成外科医が行ってくれるか?
形成外科医は基本的には切除術や削皮術の経験がありますが、最近は形成外科の中でも専門分野に別れ、その領域のみの  治療だけを行っている医師が多くなってきました。
まず、治療を行ってくれるか問い合わせる必要があります。

一般の方は 美容整形医と形成外科医は異なった医師のような印象を受けられていますが、正確には 形成外科のトレーニングを受けた形成外科医がその技術を応用して美容整形を行っています。

ただ、クリニックによっては形成外科のトレーニングを受けずにチェーン店の美容整形クリニックでトレーニングを受けて開業させていることもあります。
最終的には医師の技量と患者さんとの相性ですが、クリニック選びの一つに形成外科医であるかどうかを確認されてもよいかと思います。

IV)治療費
治療方法により異なります
診察を受けられる時に治療に
初診料
血液検査料(必要な場合)
治療費
治療後の処置料
などを確認して治療を受けられてください。
私クリニックでは治療費は項目ごとに記載してお渡ししています。

お問い合わせは下記のフォームをお願いします。
「インターネットによるお問い合わせフォーム」

新潟市中央区本町通7番町1085
やまもと形成外科クリニック
電話:025-223-2926
ファクス:025-223-2982
E-mail:yamamoto-clinic@wish.ocn.ne.jp

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