刺青のレーザー治療費が高額であるはよく知られています。
医者が儲けていると考えている方もおられますし、一部にはそのようなクリニックもあるのかも知れません。
しかし、実際は逆の場合もあります。
ご存知のように医療用レーザー器機は大変高額ですし、とても精密に作られているため広範囲を照射すると故障してしまいます。
この修理費も高額なります。何から何まで高額なのです。
そして一番高額なのが医師への報酬です。
長時間医師が治療に当たればその分治療費に加算されることになります。医師以外が照射すれば安くできますが、それは無理なはなし(医師法違反となります)。
ところで、刺青治療のレーザーはシミ取りにも利用され、良い結果がえられています。
シミの治療は刺青ほど広範囲ではないために、短時間で終わります。また結果もよく患者さんからも喜ばれます。
何より機械への負担も少なく修理をしなくても長く使えるわけです。
一方、刺青には数回の照射が必要ですし、結果も満足いかないことがあります。
また、かりに完全に色が消えたとしても以前お話したようい「透かし彫り」の跡が残り、さらにその治療を要求されてきます。
特に皮膚科の先生方には皮膚を削るレーザーはなじみが少ないために、更なる治療は他のクリニックを紹介されることとなります。せっかくできた信頼関係もこれで振出です。
これらの理由のために、最近はシミだけの治療が行い、刺青治療を行わなくなったクリニックも多くなってきています。当然なのかもしれませんが。
それでは、どうしたらよいのでしょうか。
それは、形成外科医がいて、レーザー治療に合わせて、手術ができるクリニックを最初から受診することです。
インターネットで探し、実際に診察して、具体的は治療費を聞いてみる事です。初診料はかかりますが、2-3のクリニックを受診するのも良いかもしれません。
また、担当医との相性も重要です。
さて、具体的なレーザー治療費ですが、これはクリニックにより大変異なります。
治療費はレーザーのショット数で計算する方法と、広さで計算する方法があります。
ショット数でする場合は1ショットが300円から2000円とかなりの幅があります。2000円になると1cm2で4万円ほどになり、広範囲では1回の治療費が50~60万円となります。
そうなると3か月毎の治療は、一部の人を除き、お金が続かなくなり、途中で断念しなければならなくなります。
「刺青が中途半端に消えるぐらいなら治療しないほうが良かった」といわれれる方もあります。
このようなことがないように、診察時に患者様の総合予算を伝えその範囲で治療が可能かどうか担当医師と十分に相談してください。
刺青の治療で一番大きな問題は治療費と治療機関それと治療法です。