レーザー治療では、照射直後から色素が消えると思われている方が多いのですが、残念ながらそうではありません。
また、治療後にはいくつかの約束事がありますので、これも知っておいてください。
アフターケア
1)一番多い質問が入浴です。
日ごろは隔日にしか入浴されない方も どのような理由かは分かりませんが当日の入浴を希望されます。
体をキレイにすることより、治療を受けたことを忘れたいためでしょうか。
しかし、残念ながら、照射当日の入浴やシャワーは控えていただきます。
レーザー照射部は軽いやけどの状態となっていますので、濡らさないでいただきたいと思います。
翌日からは、患部を濡らさないようにされればシャワーは問題ありません。
濡らさないためには専用のテープもありますが、患者さん自身でいろいろと工夫されているのが現状です。
2)次に多いのがお酒です。
1日ぐらいは禁酒できそうですが、意外と「飲んでも良いですか」と聞かれてきます。
結論はOKです。ただ、飲みすぎたら問題ですが。
3)次回の診察に関しては、患者さんにお任せしています。
可能なら、翌日に診察に来ていただきたいのですが、都合が悪いのか、来たくないのかはそれぞれですが、来られない方が多いです。
そのため、軟膏・ガーゼおよびテープをお渡しし、ご自身でケアとお願いしています。これまで特に問題は起こっていますが、術者としては創を見たいと希望しているのですが。我儘でしょうか。
4)照射した部分は1週間程度でかさぶた(痂皮)となります。
しかしこの間は特にお仕事や学校を休む必要はありません。
また、2週間目頃から一時的に炎症後色素沈着を起き、気になりだしますが、1~3ヶ月程経つとなくなります
5)3か月後に受診していただき(これは多少強制的ですが)、結果を確認後次回の照射計画を予定いたします。
通常、照射間隔は3ヶ月間隔となっています。中には1か月間隔での照射を希望される方もおられますが、結果を判定するのには3ヶ月は必要です。
早く、たくさん照射すれば良い結果で得られるわけではありません(経営的にはうれしいのですが)。理解の上での照射となります。
Qスイッチレーザーでの問題点
レーザー治療を魔法のように思われている方が多いのですが、そこには問題もあります。
通常、Qスイッチレーザー照射治療に伴い色が消え満足されていくのですが、時に刺青(入れ墨)の形通りの白い傷跡が残ることがあります(脱色素)。
これは刺青(入れ墨)が皮膚に傷をつけてそこに色を入れることであるために、その色が消えるに従ってその傷あとが見えてくるからです。
Qスイッチレーザーは色を消すためのものですが、最初につけた傷あとまでは消してしまうことできません。
「透かし彫りみたいな創跡、どうにかなりませんか」と問い合わせを受けること多くあります。このことは意外と説明を受けらていないようです。
レーザー治療も魔法でない証拠です。
さて、このような創あとに対しては更なる治療を追加していきます。
この創あとをスーパーパルス炭酸ガスレーザーという創をつけるレーザーも用いて、肌に創を作って図柄をぼかしていきます。
そうです、また創跡ができるのです。私も嫌なのですが、仕方ありません。
刺青治療はいろいろな問題を抱えた治療です。ただレーザーを照射すればOKではないことがお分かりになったでしょうか。