刺青治療に使用するレーザーは、Qスイッチレーザーと言われるものです。
Qスイッチレーザーとは、
正常な皮膚にはダメージを与えることなく、特定の色素をだけをスポット的に破壊することができるレーザー
のことです。レーザーによっては表面に皮膚を破壊しながら色素を取り除くレーザー(炭酸ガスレーザー)もありますが、Qスイッチレーザーは表面の皮膚にはダメージを与えないのが特徴です。
表面の皮膚にダメージを与えれば傷跡になるからです。
しかし、すべての色素が対象となるわけではありません。
適応となる色は
黒色
青色
茶色
で、特に黒色は1回の照射でかなり薄くなることがあります。
また、黒色でも金属を混ぜているものは消えにくく、数回の照射でもあまり薄くならない場合もみられます。金属を混ぜてある理由は、刺青が消えにくく、いつまでもキレイでいて欲しいと願う彫師の考えから来たものです。
彫師はいつまでも残して欲しい、我々医師はきれいに消したい。おかしな関係です。
具体的な治療ですが、これは簡単に言えば、レーザー光を照射するだけです。
色素にあわせてレーザーの波長を変更して行いますが、すべては機械が行ってくれます。
それなら誰にでも簡単にできる? そうではありません。
レーザー光の強さが重要です。
これは経験によるもので、すくない回数でより効果的な強さをきめていかなければなりません。何事経験が重要です。
さて、患者さんのほとんどが治療中の痛みを心配されています。
外科的治療ではありませんので、痛くないような気もしますが、残念ながらレーザー治療でも痛みを伴います。そのため、実際は局所麻酔をしますので、治療中は全く痛みません。
局所麻酔とは歯科治療で用いる麻酔と同じですので、針を刺して麻酔薬を注入する時にはチクッとした痛みはあります。
クリニックによっては麻酔クリームやテープを使用しているところもありますが、痛みに弱い方は不十分ですので、やはり局所麻酔が良いと思っています。
何事も犠牲を払わなければいけないようです。